喜如嘉の七滝

大宜味村喜如嘉の集落に七滝という滝がある。
ひっそりとしたところに不意に鳥居が現れ鳥居の前には車が数台停められるくらいの広場がある。
車から降りた瞬間から神聖な空気が漂っている。
鳥居の前で一礼し鳥居をくぐり歩いていくと、すぐに道が二手に分かれている。
左の方は滝壺の方へとくだり、右の道は拝所のようなところへ続いていた。
まずは拝所に立ち寄ってから七滝へ行ってみることにした。

拝所
拝所から駐車場方面の鳥居を見た時の風景

以前、とあるドキュメンタリー映画のロケで私はこの喜如嘉の集落を訪れたことがある。
その時はここが特定無形文化財である芭蕉布という織物の産地だということも、七滝があることも知らなかったが、その土地の空気感は印象的だったことがずっと記憶にあった。

ひと言で言えば鬱蒼とした沈黙であり、それでもゆっくりと呼吸をしているかのような雰囲気なのだ。その独特な雰囲気はまるで集落全体が結界を張っているかのようでもある。

2022年の年明けに、私はたまたまあの喜如嘉にもう一度行ってみたいと感じて、沖縄を訪れていた母と祖母を連れて行くことにした。そうしてはじめてこの七滝に出逢うことができた。

拝所から見える滝壺

私はよく自然の中へ出掛けて気が向けばそこでインプロビゼーションをする。
気が乗ると体が自然と動き出す。喜如嘉の七滝で滝壺の水に両手を清め舞をした。

喜如嘉の七滝について

花が供えてある七滝

大宜味村喜如嘉集落にあり集落で最も古い御嶽とされている。御嶽(ウタキ)とは、沖縄において古くから聖域とされる空間であり祭祀をとりおこなう祈りの場所である。拝所(ウガンジュ)と呼ばれたりする。

七滝の由来

滝が落ちてくるまでに軌道が7回変わることから七滝と呼ばれている縁起物として名付けられた。

300年以上も前に編纂された歴史書「琉球国由来記」にも七滝の記述がみられ、古くから拝所だったことが物語られる。「七滝ノイベナヌシ」という神様がお祭りされているそうだ。

七滝の水は沖縄のミネラルウォーターとしても売られている。

沖縄健康社(有)ホームページより引用

神秘の森の妖精ブナガヤー

沖縄の森の妖精といえば「キジムナー」だが、どうやら同じものを指しているのかこちらの地域では「ブナガヤ」又は「ブナガヤー」と呼ばれている。ブナガヤーは髪の毛が赤く子供のように小さく人懐こい性格だそう。七滝はブナガヤーが棲む神秘の森に流れる滝であり、最強のパワースポットだそう。大宜味村は「ぶながやの里」として町おこしを行なっている。

この島に残る尊い自然を大切にしたい。

喜如嘉の七滝の所在地

〒905-1303 沖縄県国頭郡大宜味村喜如嘉2234

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