ガジュマルは歩く

沖縄県の南城市にガンガラーの谷という鍾乳洞が崩れてできた太古の谷がある。
そこでは約2万年前の人骨や釣り針などの生活道具が発掘されており「港川人」が生活していたであろうと推測されている。未だ発掘調査が果敢に行われている場所だ。

ガンガラーの谷の由来

昔この土地で谷の割れ目に向かって石を投げると「ガン、ガン、ガン、、ガラガラガラ、、、」という音を立てて落ちていったことから、地元の人は「ガンガラー」と呼んでいたことが元になっている。

ガンガラーの谷入り口

ガンガラーの谷の入り口にある鍾乳洞スペースは普段カフェスペースだが、その空間は貸切にもできるらしく音楽などのLIVEイベントも行われる。手嶌葵さんのコンサート等も行われたようだ。洞窟の中をライティングした空間での催し物を見てみたいし、いつか自分でも踊りの舞台を企画してみたい。

目次

ガイドツアーで内部を回ってみた

ガイドツアーに申し込むことで入り口の鍾乳洞から奥に広がる森と谷の空間に入っていくことができる。さんぴん茶の入った水筒を各自渡され、好きなときに各々水分補給しつつ約1時間半ほどかけて歩いていく。ガイドは様々な植物や洞窟や発掘調査による古代人の歴史や営みについて説明をしてくれる。

イナグ洞

森の奥には二箇所ほど拝所ともなっている洞窟がある。一つはイキガ洞、もう一つはイナグ洞。沖縄でイキガは男性のことで、イナグは女性のこと。洞窟の奥にある鍾乳石により男女が名付けられる由来となっている。イナグ洞では安産祈願をし、イキガ洞では子宝や成長を祈願する。イナグ洞の表には「母神」と書かれた標識があるが、この標識は昔々拝みに来た人が立てていったものらしい。

イナグ洞

洞窟の中には一般客は立ち入ることができない。ガイドさんの話によるとイナグ洞窟の中に女性の乳房と下半身の形状を成した鍾乳石が見られるらしい。

イナグ洞の中の様子

イキガ洞

イキガ洞の中には実際に入っていくことができた。真っ暗闇なので1グループにつき1つオイルランプを渡され、各々の足元を照らしながら進んでいく。イキガ洞窟の中には川が流れている。

イキガ洞の入り口

そしてこの洞窟の先にあったものは・・・

これらは誰かが意図的に作ったものではなく、たまたまあった鍾乳洞の形。
イナグ洞・イキガ洞の由来となり男女の神様がいると言われていることから、イナグ洞では安産祈願を、イキガ洞では子宝や成長が祈願される拝所となった。

ガジュマル

ガンガラーの谷にはガジュマルの圧巻な箇所がたくさんある。
下の写真はガンガラーの谷の中でも一番大きいガジュマルの木だが、あまりに長すぎて写真に収まりきらない。

ガンガラーの谷一巨大なガジュマル(上半分)
ガンガラーの谷一巨大なガジュマル(下半分)

ガジュマルは歩く

歩くガジュマル

ツアーガイドさん曰くガジュマルは歩く植物らしい。ガジュマルが成長するときは上から根っこが垂れ下がってきて、それが地面に付きそこから根を張って成長していく。ガジュマルはとても成長の早い植物で、その根っことなる蔦はどんどん前に進んでいるのだ。

歩くガジュマルの蔦

沖縄にあるガジュマルは生命力を感じる美しい独特な自然の形状を成している。岩を抱くような根っこ、絡まり合った蔦や幹、長老の顔に刻まれた深い皺のような厳しくて穏やかな表情にも見える。それでいてありのままに爆発したかのような、まるで血管のように血が迸っているかのような。この木が様々な場所で、ただ存在しているだけでこの島全体に躍動と神秘を感じる。

「植物はゆっくりと成長するから良い」とベルギー人の世界的な振付師シディ・ラルビ・シェルカウイは言っていた。人間のように百年足らずしか生きない生物あり、もっと生命の短い虫などもいる。時間軸の違うものたちが同じ星に存在している感覚とはなんだろう。

とかく人間はあらゆる浮き沈みとバイオリズムの中で、また人間社会に属することでその中の常識に縛られていないと生存することすら難しい。調和が大切なんだけど、本質がわからないままに自己を低迷させている場合も多いだろう。

植物はただ素直に生命力を激らせ誰のことをも傷つけずに生きる。エネルギーを燃やす人間の対極にあるのがエネルギーに無駄のない植物たち。エネルギーの無駄が無いからこれだけ大きく成長し、圧倒的で美しい景色を生み出し続けるのかもしれない。

ガンガラーの谷の所在地

ガンガラーの谷

〒901-0616 沖縄県南城市玉城前川202

ガンガラーの谷ツアー詳細

【ツアー料金】1人 2,500円
【営業時間】9:00~17:30
【ツアー時間】1日4回(10:00・12:00・14:00・16:00)※要予約
【お問い合わせ】098-948-4192
【HP】https://gangala.com/

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